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ニシの石
【にしのいし】


沖縄本島中部東海岸,与那城町の平安座(へんざ)島の北西海上約3kmに位置する岩礁。地形図などには西ノ岩と見える。方言ではニシヌイシというが,ニシは「北」のことである。周囲1kmの環状サンゴ礁のうちに大小の岩礁が群立する。特に北寄りの大岩をイイイシ(北石)と呼び,西端に傘状のタバク(煙草)石がある。岩礁の周辺は浅瀬で,魚介類の豊富な漁場であった。海草のニシモー(ヒジキ)が繁茂し,平安座の年4回の御嶽参りにこれを供える。ニシの石は村の新垣家の所有で,先代ウスバー(丑番)からの相続だという。なお丑番家は平安座西城の崖下にある伊是名(いぜな)墓を拝む慣例がある。この墓は平安座西城主高花の墓で,現在も墓参りの行事が行われている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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