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西屋部川
【にしやぶがわ】


沖縄本島北部,本部(もとぶ)半島南部を南流する河川。屋部川の支流。河川延長6.30km・流域面積8.51km(^2)。屋部川合流点から1.9kmは2級河川に指定されている。嘉津宇岳の東に連なる山地に源を発し,南流する安和志川・旭川道越川など諸支流を集めて南に流れ,屋部川に河口付近で合流。流域の地質は先新第三系の古期石灰岩および千枚岩類で構成される。山地は起伏の多い急斜面の地形をなすが,上流部の中山一帯には,砂礫質の段丘上位面を含む標高50~130mの丘陵が広がる。低地は少なく,川に沿って狭長な谷底の平地が形成されるにとどまる。古期石灰岩の山地の植生はイスノキ・イワヤナギシダ群落が卓越する一方,千枚岩類の山地はリュウキュウマツ・ノボタン群落が広がり,また谷間の急斜面にはリュウキュウアオキ・イタジイ群落が残る。川沿いの谷底低地に旭川の主要集落が立地する。谷底の低地はかつては大部分が水田として利用されていたが,今日ではすべてサトウキビ畑にかわっている。また流域一帯の耕作可能地は,山地・丘陵斜面に至るまでパイナップルを中心に柑橘類やサトウキビ畑に利用され,名護市内最大のパイナップル産地となっている。昭和30年代後半からパイナップルを中心とする山地開墾が急速に広がった結果,西屋部川流域でも赤土流出の被害が各所に起こったが,近年やや減少する傾向にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241372