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饒波川
【のはがわ】


沖縄本島南部を西流する2級河川。方言ではノハガーラ・ヌーファガーラという。「旧記」では長江と見える。河川延長14.10km・流域面積14.60km(^2)。国場川の支流。大里村北東部の大里に源を発し,円弧状に南西へ流れ,東風平(こちんだ)町北部を西流して豊見城(とみぐすく)村に入り,同村高安で轟川を合流し,北に曲がってイシビャーシ(石火矢橋)を経て同村真玉橋(まだんばし)の豊見城城跡下で国場川下流の漫湖に注ぐ。轟川は地元ではカーラグァと呼ぶが,合流点より上流の豊見城村饒波付近ではウフガーラと呼ばれる。明治期までは,島尻地方西部の物資は高安に集められ,そこから舟で那覇(なは)港へ運送されたという。船着場をタングチ(谷口)といい,昭和期まで利用されたが,現在は泥土が堆積して昔の面影はない。饒波川の国場川への合流点は,三角江をなす。流域は肥沃なジャーガル土に覆われて,サトウキビ・野菜などの栽培される豊かな農地となっている。近年,流域の丘陵地や台地では宅地開発が行われている。しかし,一方では新興住宅地・団地からの生活排水や畜舎からの汚水,事業所からの排水によって水質汚濁が著しく,県は昭和58年4月水質汚濁防止法に基づく環境基準の類型指定(農業用水や薬物流入などによる高度な浄化操作を行う工業用水の類型D)を行い,饒波川の水質浄化を5年間を目標にして可及的すみやかに達成することを企画している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241400