100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

ヒナイ滝
【ひないたき】


西表(いりおもて)島北岸,竹富(たけとみ)町上原にある滝。方言ではピナイサーラ・ピニェーサーラという。ピナイカーラ(ヒナイ川)にかかり,落差はおよそ45mで,沖縄県で最大。ヒナイ川は流域面積3.35km(^2)の川で,滝の水量自体は大きくないが,西表島と石垣島を結ぶ定期船からは,白い布を掛け渡したように見える。西表島西部の方言で「ピニ」はひげ,「サーラ」は下がったものを意味することから,ピナイサーラの語源は「老人のひげのように白く下がったもの」という意味であるといわれている。このため鬚川と当て字してヒナイと読ませることもある。竹富島の「久間原御嶽願い口」に「なかじら ぴねーるざーる 降りみそーる 大やん主やん(仲良山ヒナイ滝に降りなさる大親主親)」とあり,ヒナイ滝は神聖視されている(ニガイフチィ74/歌謡大成Ⅳ)。「鳩間口説」では滝の見事さを謡っている(口説歌謡8/同前)。近づくには河口付近の湿地帯を歩かなければならないが,この滝の下まで訪れる観光客も多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241530