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普天間川
【ふてんまがわ】


沖縄本島中部,中城(なかぐすく)村南西部に源を発し,北谷(ちやたん)町南部で東シナ海に注ぐ河川。河川延長8.0km・流域面積8.9km(^2)で,下流から5.9kmが2級河川に指定されている。下流はサーティン川(佐阿天川)と称される。中城村南上原の丘陵地を水源として中城村西部の北上原・新垣(あらかき)・登又を北流し,北中城(きたなかぐすく)村安谷屋(あだにや)地内で流れを西に変え,宜野湾(ぎのわん)市と北谷町の境界を流れて北谷町北前で東シナ海に注ぐ。第2次大戦前は普天間川には2つの橋しかなかった。その1つ佐阿天橋をかつての国頭(くにがみ)街道(現国道58号)が通り,もう1つの普天間橋は普天間の市街地を通り沖縄市方面に通じる現在の国道330号に架けられていた。普天間橋は大正3年に架橋された石橋であった。そのほか,宜野湾市野嵩(のだけ)と中城村登又の間は川の浅瀬に石を敷き詰めて徒渉できるようになっていた。佐阿天橋の建設碑は宜野湾市伊佐の海岸に現存するが,表裏両面とも磨滅しており,碑文は「二十五年」の文字しか判読できない。普天間川は農耕馬や牛を洗う場所でもあり,子どもの遊び場にもなった。また佐阿天橋までは山原(やんばる)船が入っていた。現在,下流の両岸は米軍基地(キャンプ瑞慶覧(ずけらん))となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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