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普久川
【ふんがわ】


沖縄本島北部,国頭(くにがみ)村東海岸の安波(あは)を流れる安波川の支流。方言ではフウクウガーという。国頭山地北部,伊部山の西に源を発し,南流する2級河川。河川延長10.0km・流域面積17.0km(^2)。中流で右岸から照首山などの山々に源を発するヤナマタガー・ウイスラマタガー・インバーガーを合わせたティガマタガーを合流し,安波川河口より400mほど上流のウガングモイと呼ばれる地点で安波川に合流する。この合流点から約1km上流には国天然記念物のタナガーグムイの植物群落がある。タナガーグムイは2つの滝つぼと周囲の峡谷からなり,上の滝つぼは長径約50m,幅は最大約45m,川床を含む一帯は千枚岩質粘板岩からなり,湿潤気候特有の特殊な植物が生育する。イタジイを主体とする常緑樹林で,リュウキュウタンポポ・リュウキュウアセビ・ナガバハグマ・コケタンポポ・ホラシノブ・アオヤギソウ・ケラマツツジなどのほか,各種の珍しい植物が見られる。右岸の丘陵には大規模なミカン園が開ける。安波川との合流点には御願(うがん)橋が架かる。橋の東の森は,地元でヌーガミ・ウガミと呼ぶ安波の御嶽で,神名はマシラジ之神。「由来記」ではヤギナハモリ城と見える。安波川への合流点の約3km上流に昭和57年に完成した普久川ダムがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241621