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辺野古のトゥングァ
【へのこのとぅんぐぁ】


名護市辺野古の海岸の東方約200mの海中にあるサンゴ石灰岩礁群。干潮時は陸続きの干潟となる。岩礁の1つは筆先の形状を呈し,フデ岩と呼ばれているが,また,空に飛び立つような形状から飛石の別称もある。トゥングァの西岸には古い按司墓があり,北岸には神女の墓と伝えられているデンデン墓があるが,両者のかかわりは不明。トゥングァは,ニライ・カナイの神を迎える村落祭祀において神降臨の中継地とされ,ムラの聖地の1つである。トゥングァには竜宮の神が祀られていると伝える。旧暦4月のアブシバレーには集落の海岸からトゥングァに向かって祈願が行われ,旧暦10月1日に行われる悪霊祓い行事シマクサラーも同様トゥングァに向かった海岸から祈願が行われる。これからみて,トゥングァはニライ・カナイの神に祈る遥拝の場で,トゥン(殿)が原義である。トゥングァは海上安全や旅立ちの祈願の対象ともなっていた。最近,辺野古漁港の整備工事によりトゥングァまで護岸が延び陸続きになっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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