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前良川
【まいらがわ】


西表(いりおもて)島東部を流れる河川。方言ではマイラカーラという。河川延長3.75km・流域面積7.64km(^2)。竹富(たけとみ)町古見(こみ)の東部を南東流し,古見集落の南で海に注ぐ。河口付近はマングローブ帯となっている。河川名は後良(しいら)川が古見の後ろに位置するのに対して,前に位置する川の意味と思われる。「八重山嶋由来記」には真栄良川原と記されており,康煕54年(1715)には延べ3,500人以上の人夫を使って,長さ2町6間に及ぶミチャーリ(三離)橋が架けられた(竹原家文書)。橋のたもとには架橋の由来を示す石碑が建てられていたという。現在の橋は前良橋といい,昭和48年に竣工した。上流の左岸にはマイラタという小規模な水田があって,昔は古見の人々が耕作していた。右岸の河口付近には拝所である三離御嶽がある。その奥の聖地とされているところに見事な板根をもつサキシマスオウノキの古木があり,古見のサキシマスオウノキ群落として国天然記念物に指定されている。ここが観光名所とされてからは,古見の人々が最も大切な神事として受け継いできた豊年祭のアカマタ・クロマタにかかわる拝所が,毎日のように訪れる多数の観光客によって汚されることになった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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