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松田慶武原川
【まつだきんばるがわ】


沖縄本島北部東海岸の,宜野座(ぎのざ)村松田の古知屋岳に源を発し,松田地内を南東流して太平洋に注ぐ河川。方言での部分呼称は,山地とキン原と称される低湿地帯まではキンバルガーラまたはギンバルガーラと呼ばれ,フナグ山からの支流が合流する地点から河口までをフナグガーと称する(宜野座村乃文化財3)。単に慶武原川とも書く。河川延長1.85km・流域面積2.03km(^2)。第2次大戦前にはフナグ山で切った薪や材木を河口から約400mのナガミナトゥまで人や馬で運び,そこからは舟で河口のンナトゥのタムンジャー(薪や材木の集積場)まで運び,満潮時を利用して伝馬船でウキスに停泊している山原(やんばる)船に積み込んだ。河口をナーバともいい,旧暦7月7日前にハーザ(竹で編んだ魚垣)を人々総出で作り,上流からイジュの木の皮などを砕いてまき,回遊魚を酔わせるハーザ漁を行った。河口から1.3km地点の潟原ダム(総貯水量26万7,000m(^3))は昭和60年夏に完成した。米軍の山岳地帯における演習によって山林が破壊され,その結果,赤土が流出して河川や松田区民の飲料水用のダムを埋没させたため,その代替施設として建設されたもので,飲料水・農業用水として利用されている。河口付近の潟原は野鳥の生息地として知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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