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マリユドゥの滝
【まりゆどぅのたき】


西表(いりおもて)島西部,竹富(たけとみ)町西表にある滝。方言では滝の名前がないが,滝の下の滝壺をマリユドゥと呼んでいる。浦内川上流にかかり,豊富な水量が特徴で,カンビレーから流れ下る水が2段になって丸い滝壺に落ち込んでいる。木生シダが周囲に林立する長径130m・短径80mほどの滝壺がたたえる水の色は見る人の心をとらえる。マリユドゥとは丸い淀みの意味と思われる。「西表島の民俗」ではマリの語源はマーリ(廻ること)であるとし,滝壺に落ちた水が廻るからと説明している。昭和56年版の地形図にはマリュード滝と見える。マリユドゥと対にされているのはカンビレーの上流に位置する長さ4kmにも及ぶ淀で,これはナーユドゥ(長い淀)と呼ばれている。「八重山嶋由来記」には「稲葉長淀……同丸淀」と見える(竹原家文書)。第2次大戦前まではナーユドゥにはオオウナギが多く,泳げばウナギにかみつかれるぐらいであったといい,マリユドゥには西表島西部の人が鯉の稚魚を放して繁殖させようとしたこともあるという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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