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ミジャ川
【みじゃがわ】


沖縄本島北部を流れる河川。辺野古(へのこ)岳山頂より1km余り北方の丘陵に源を発し,南西の辺野古川とほぼ並行して名護市辺野古小字上福地原・下福地原地内を南東流し,大浦湾に注ぐ。福地原を貫流していることから地元では古くから福地川と称しているが,現在の地形図などでは辺野古美謝川と見える。かつて辺野古よりミジャ川を経て世冨慶(よふけ)に通ずる山道があった。現在は国道329号が辺野古と世冨慶を結んでいる。大正中期より本部(もとぶ)・今帰仁(なきじん)・首里などからの開拓者が流域に入植を開始し,やがて大正10年に始まる世冨慶~瀬嵩(せだけ)間の郡道建設工事に従事する者がこれに加わり,林業・農業従事者として定着するに至った。昭和19年,那覇を中心とする10・10空襲以来沖縄本島南部からの避難民が流入し,一時は150名程の人口に達した。流域の地形はかなり険しく,雨期や台風時には氾濫が多発し,地滑りも頻発したが,土壌が肥沃なため耕作は継続され,林産物のほかに,米・サツマイモなども出荷された。キャンプ・シュワーブ基地建設に伴う土地接収により住民は名護などに移住し,無人の土地となっている。全流域は基地化したが,左岸の一部は黙認耕作地となり,サトウキビ・パイナップルなどが栽培されている。基地建設が行われた昭和30年代前半に,ミジャ川下流のキャンプ・シュワーブのゲート前付近に国道329号によって川がせき止められて辺野古ダムが建設され,米軍の用水として利用されていたが,同47年の復帰後県企業局に返還され,同50年8月には名護市に移管され,基地および名護市内のうち旧久志村域への水供給を行っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241789