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安良川
【やすらがわ】


石垣島の北東部,平久保半島北部の東海岸を流れる河川。方言ではヤッサカーラという。平久保半島の最高峰安良岳の北麓に源を発して東流する。河川延長約1.6km。古生代トムル層の結晶片岩からなる山地を切る深い渓谷をなし,下流部で段丘を開析してサンゴ礁に注ぐ。全体に渓流性のため水量は少ない。下流より上流の方が比較的水量が多く,中流付近で一部伏流しているものと思われる。安良川はウフヤッサ(大安良)川といい,それより南側約600mに河川延長約700mのグマヤッサ(小安良)川が流れる。安良川は断層線に沿って流れており,標高35m付近の南岸には第三紀宮良層の石灰岩がトムル層の上部に崖をなしている。ここに貫入した流紋岩は,断層作用を受け切断されている。王府時代に下流域に安良村がつくられたが,のち廃村となった。現在は安良御嶽が残り,年に1度旧暦6月の豊年祭の時だけ参拝が行われている。大安良川河口の海岸をスサシバル浜といい,南側の小安良川との間,安良村跡下方の海岸をヤッサ浜と呼んでいる。さらに南側約500mには安良崎がある。安良川周辺の海岸段丘上は牛の放牧場となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241935