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ユツン川
【ゆつんがわ】


西表(いりおもて)島北東部を流れる河川。古見(こみ)の方言ではユーツンカーラといい,西表島西部ではユーチン,新城(あらぐすく)島ではユーチィンと発音する。流域面積は4.92km(^2)。竹富(たけとみ)町高那の西部を北流する。河口付近はマングローブ帯となっている。「八重山嶋由来記」には,ゆちん川原と見える(竹原家文書)。「南島風土記」では由珍の字をあてている。この川の一帯をユーツンといい,古くから非常に肥沃な土地として有名であった。雍正10年(1732)に高那村が寄人政策によって新たに建てられたのもユーツンの沃野と港があったからであると伝えられている。西表島の東部と西部を区分するときの境界はこの川であったという。西表島の北岸では最も河口の水深が深い川で,昔から舟を停泊させる港として使われた。西表島西部の人が石垣島まで舟を漕いで通った頃には,この川に舟を入れて一泊したという。昭和52年北岸道路開通に伴ってユツン橋が架けられた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241996