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よきのはま
【よきのはま】


「おもろさうし」に見える浜の名。雪の浜,すなわち白い浜の意で,与那原(よなばる)町の浜のことらしい。対語は「よなはばま」。巻1-39,No.39の1首のみに次のように謡われている。一きこゑ大きみきや(聞得大君が) とよむせたかこか(名高い精高子〈神女〉が) いつこしま とよで(厳子島に鳴り響いて)又おぼつ世の まだかさ(おぼつ世の真高さ) かくら世の まだかさ(神座世の真高さ)又おぼつ よためかちゑ(おぼつ揺り動かして) てにち よためかちへ(天地揺り動かして)又よなはばま よりおれて(与那覇浜に依り降りて) よきのはま よりおれて(雪の浜に依り降りて)(後節略)王府儀礼にかかわる長いオモロの冒頭である。琉球王国の最高神女である聞得大君が,天上世界であるオボツ・カグラまで揺り動かして神降りをする。その聖地が与那覇浜であり,雪の浜である。与那覇浜の辺り一帯が,王権にかかわる重要な聖地だったことを知る上で大切な意味をもっているオモロである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7242006