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阿野呂川
【あのろがわ】


夕張市と空知地方栗山町の境界を流れる1級河川。石狩川水系夕張川の支流。流路延長20.3km,流域面積77.0km(^2)。夕張山地東端部をほぼ南西に流れ,由仁平野に出て北西流し,栗山町角田付近で夕張川に注ぐ。上流の栗山町日出市街近くで二股に分かれ,左側に本流,右側に支流の大蛇の沢がある。安政4年松浦武四郎が夕張川を探検した際,阿野呂川を「アノロ川」と記載(夕張日誌)。幕末には「アノロ」の呼び名が定着していたとみられる。山間部の流域は,かつて石炭産地として知られ,角田炭鉱・兼松炭鉱があった。流域の谷底は,全体に肥沃な沖積土で,下流平野部は,稲作地帯として発展,山間谷底部では,明治期末から蔬菜の栽培がみられ,大正期からは温床を利用したトマト・スイカも生産された。大正12年にはメロンの試作に成功し,果菜地帯としても発展。夕張炭鉱街の発展とともに出荷が増し,夕張市の台所と呼ばれた。昭和37年,北海道の蔬菜栽培の主産地に指定され,果菜栽培の先進地となった。阿野呂川は大部分山地内を流下するため,突発的な洪水を引き起こしたが,昭和41年,未改修の上流部の河川改修工事着工,また昭和36年には夕張川との合流部で短絡排水の工事(延長5,170m)が完成した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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