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イワオヌプリ
【いわおぬぷり】


岩雄登とも書き,硫黄山ともいう。後志(しりべし)地方蘭越町と倶知安(くつちやん)町の境界にある山。標高1,118m。山名はアイヌ語で硫黄の山の意。ニセコアンヌプリ火山群に属し,最も男性的な山容を誇る。ニセコ積丹小樽海岸国定公園のうち。新第三紀の火山砕屑物の上に,第四紀中期にイワオヌプリ成層火山が形成され,そこに爆裂火口あるいはカルデラを生じた。その後周縁からワイスホルン(1,045.8m),次いでニセコアンヌプリ(1,308.5m)・チセヌプリ(1,134.5m)が噴出し,その後三者の中間にイワオヌプリが噴出したと考えられる。山頂部にある溶岩円頂丘が最後の活動により形成された。山頂の西側にも小イワオヌプリ(1,045m)の溶岩円頂丘がある。2つの溶岩円頂丘のほぼ中間には硫黄鉱床があり,昭和12年まで採掘された。文化3年の「遠山・村垣西蝦夷日記」に採掘した硫黄を馬で岩内の運上家へ運んだ記録がある。この付近から硫黄川が発源し,倶知安町岩尾別付近で尻別川に合流する。山頂西側には火山岩屑流により形成された大沼・神仙沼・大谷地などの高層湿原が分布し,日本でも珍しいフサスギナの群落やミツガシワ・ツルコケモモなどの高山性湿性植物がみられる。南麓には露天風呂で有名な五色温泉があり,夏はニセコ連山への登山や沼めぐり,冬はスキーツアーの根拠地として訪れる人が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600033