大野川
【おおのがわ】

渡島(おしま)地方の大野町・上磯町を流れる２級河川。流路延長28.7km，流域面積134.4km(^2)。松前半島脊梁山地の一部をなす設計(もつけ)山（701.5m）付近に源を発して北流した後，東方から南東方向に転じ，大野町本郷付近からは南流する。以後，大野平野を蛇行して上磯町久根別西方で函館湾に注ぐ。上流では上二股沢・中二股沢・東股沢・石川沢・子熊沢など，大野平野では西から文月川，東から旧久根別古川が合流。かつては戸切地川も合流したが，洪水調節のために分流した。本郷から上流では両岸に数段の河岸段丘が発達し，これらを切って活断層とみなされる函館平野西縁断層群が走る。支流の文月川下流部は北海道の水田発祥地。大野平野は道南有数の水田地帯で，大野川は農業用水として利用される。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7600072