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神威岳
【かむいだけ】


「かもいだけ」ともいう。日高地方浦河町と十勝地方大樹(たいき)町との境界にある山。標高1,600.5m。日高山脈の南部地域に位置する。「北海道の地名」では,語源はカムイシリまたはカムイヌプリで,神の山の意といい,南日高の秀峰とされる。日高山脈襟裳国定公園のうち。「地名辞書」には「古来土人に東海の霊山と仰がれ……西麓に麗(うらら)の瀑布掛る」とあり,松浦武四郎の「東蝦夷日誌」にも「浦河山にて神岳の事を土人に問い糺すに」と記される。大正9年測図の5万分の1地形図では一帯の中岳(1,519m)・ソエマツ岳(1,625m)・ピリカヌプリ(1,631.2m)が無名峰であるのに対し,山名が記される。各山峰は標高1,200~1,400mの峻険な尾根で結ばれ,混成岩や角閃石を主体とした変成岩からなる。この山を境に日高山脈の主稜線が北北西から南南東に直角に転じ,山頂付近にはカール類似の地形がある。明治44年に伊木常誠が地質調査のため登頂。登山コースは日高側では元浦川の支流,シュオマナイ(旧称ニシュオマナイ)またはソエマツ沢,十勝側では中ノ川コースがあるが,いずれも直登沢のルート。道内の同名の山には,札幌西郊の神威岳(983m),奥尻島中央部の神威山(584.5m),歌志内(うたしない)市の神威(かもい)岳(467.4m)などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600127