100辞書・辞典一括検索

JLogos

7

十勝岳
【とかちだけ】


上川地方上富良野町と十勝地方新得町との境界にある山。標高2,077m。大雪山国立公園南西部に位置する。洪積世初めに大規模に噴出した十勝岳溶結凝灰岩の台地の上に美瑛岳・上ホロカメットク山・富良野岳などの成層火山の諸峰が連なる十勝火山群の主峰で,二重の外輪山があり,外側の外輪山に生じた溶岩円頂丘が最高点で,その西部に直径700mのグランド火口,その火口壁の北端に頂部に長径350m,短径250mの長円形の火口をもつ擂鉢火口丘,その北方約500mに直径約150mの北向火口があり,グランド火口の北西部に噴出した中央火口丘の北西側に大正火口(新噴火口)がある。記録に残る爆発は,安政4年,明治20年,大正15~昭和3年,昭和37年の4回。大正15年5月の爆発では,中央火口丘の北西部約200万m(^3)を破壊し,泥流は約25km離れた富良野原野にわずか25分で到達し,行方不明・死者144人,被災者1,500人にのぼった。昭和37年6月の爆発では,爆発現場近くの硫黄採掘の労働者ら16人が死傷した。この山の西中腹には十勝岳温泉があり,登山・スキー客のベースキャンプとなる。北麓の白金温泉周辺には,国設十勝岳スキー場白金コース・十勝岳スキーリフト・キャンプ場・国立大雪青年の家のほか宿泊施設も充実し,夏・冬ともに観光客が増加し,その数は表大雪地域の中で層雲峡・旭岳温泉に次ぐ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600311