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ニペソツ岳
【にぺそつだけ】


ニベソツ山ともいう。十勝地方上士幌町と新得町との境界にある山。標高2,012.7m。石狩山地南部に位置する。大雪山国立公園のうちで,裏大雪と呼ばれる東大雪山系に属し,石狩岳の南に稜線で連なる。山体は南北方向に急峻な高まりをもち,山頂部は鋸歯状の尖峰が並び,山頂北に天狗岳・前天狗岳を従える。先白亜系日高層群の基底に,第四紀更新世の安山岩質の火山角礫岩・溶岩が噴出して形成されたが,火山活動の記録はない。西側斜面は十勝川の支流ニペソツ川の水源で,河畔にニペソツの集落がある。第2次大戦前,鉄鉱石の調査が行われたが,開山には至らず,昭和16年から南の丸山(1,692m)で硫黄鉱が採鉱されたが,同35年に閉山した(新得町七十年史)。登山コースは十勝三股から,幌加温泉から,幌加川からの3コースあるが,頂上付近は急な岩場で熟練者向き。麓はエゾマツ・トドマツの原始林,頂上付近はコマクサ・キバナシャクナゲ・ミヤマキンバイなどの高山植物がみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600349