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別寒辺牛川
【べかんべうしがわ】


釧路地方の標茶(しべちや)町と厚岸(あつけし)町を流れる普通河川。延長43.8km,流域面積869.1km(^2)。根釧(こんせん)台地の一角,標津(しべつ)線の泉川駅西方に源を発し,標茶・厚岸両町界に沿って台地上を南東流し,厚岸湖北西端に注ぐ。途中,タッカルウシ川・チャンベツ川・トライベツ川・サッテベツ川・チライカリベツ川・大別川,河口付近で尾幌川を合流する。語源はアイヌ語で「ひしの実の多い川」の意(厚岸町史)。中流から下流の沿岸には広い泥炭湿原が発達し,通過困難な部分が多く,松浦武四郎の「東蝦夷日誌」には「ベカンベウシブト。(川幅十余間),ネモロ行,是より舟を入るに,此辺菰蒲の洲多く,水鳥群をなし,別て鵠多く見たり。此川深くして,秋頃にキウリと云る魚入りて卵をなし,冬下り海に入りて,春末また浜に来るといへり」とある。流域の大部分は火山灰に被覆された未利用地であるが,中流部には昭和32~41年に,パイロット・フォレストと命名された大植林計画が実施され,カラマツを主とする植林地が形成された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600405