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ペテガリ岳
【ぺてがりだけ】


十勝地方大樹(たいき)町と日高地方静内町との境界にある山。標高1,736.2m。日高山脈の中部に位置し,日高山脈襟裳国定公園に属する。東麓が急傾斜を示す非対称の山容で,急峻な独立峰は日高随一の名山とされる。山名は,「北海道の地名」ではペツ・エ・カリ(川が・そこで・回る)の転訛という。道庁20万分の1実測切図,大正9年測図の5万分の1地形図では無名峰。片麻岩や混成岩からなる。変成岩帯が険阻な峡谷を形成するため登山の記録は新しく,冬季には日高側から昭和18年に北海道大学山岳部が,十勝側から昭和23年に早稲田大学が登頂。現在では日高の他の高山とは異なり,東西の尾根に登山道があり,静内町のペテガリ山荘から頂上までは6~8時間の行程で,一般の登山も可能。この山の日高側にはエゾマツに混生したゴヨウマツの群落が標高1,020m付近にまで分布し,山頂の北から北東にかけては通称A・B・Cと呼ばれるカールが所在。これらは旧期のポロシリ期の形成とされ,カール底は標高1,400m前後で,末端にはモレーン(氷堆石)がみられる。この山は日高の静内川と十勝の歴舟(れきふね)川との分水嶺をなす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600409