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羅臼岳
【らうすだけ】


網走地方斜里町と根室地方羅臼町の境界にある山。標高1,660.7m。知床国立公園に属する知床半島の最高峰で,北東の硫黄山へと続く稜線は,知床半島における山岳景観の白眉。松浦武四郎はこの山をチャチャ岳・チャチャノホリ(東蝦夷日誌)・羅牛岳(知床日誌)などと記した。千島火山帯に属する成層火山で,緑色凝灰岩を主とする新生代新第三紀層を基盤とし,その上に輝石安山岩質の火山岩が噴出して形成された。北斜面は岩尾別川・幌別川,南斜面は羅臼川・サシルイ川などの水源をなし,北西麓の岩尾別の溶岩台地上には知床五湖,南西山腹の平坦地面には羅臼湖などの湖水が分布する。ドーム状の美しい山体は俗に知床富士とも呼ばれる。山頂付近の羅臼平は高山植物のお花畑があり,山麓の斜里町側には岩尾別温泉,羅臼町側には羅臼温泉があり,観光および登山の基地として利用者が多い。昭和55年に西南側の鞍部の知床峠(標高738m)を通り,羅臼~宇登呂間の国道334号(通称知床横断道路)が開通した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600464