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梵珠山
【ぼんじゅさん】


南津軽郡浪岡町大釈迦北部にある山。標高468.4m。梵珠山地の南端に位置し,五所川原市との境界をなす。山名の由来は,アイヌ語の美しい小山を意味するポニンタイに仏語のボンジュをあてたとの説がある。古くから信仰の山とされ,津軽三山坊のうち高野山坊はこの南西部山麓にあり,大伽藍が建てられていたといわれる。9合目には寺屋敷跡があり,古井戸が残る。昭和43年青森県明治百年記念事業の一環として,眺望山とともに県民の森に指定された。新生代第三紀鮮新世の地層が分布し,ダイシャカニシキ・ニッポンキリガイダマシ・エゾタマガイなどの貝類化石をはじめ,サメの歯,ウニのとげなどの化石を産出し,大釈迦層として全国的に知られる。また,石油探査のためボーリングも行われたこともある。昭和40年頃まではマンガン鉱の採掘が行われていた。植生的には,ブナを主とした森林で覆われ,沢筋にはミズナラ・ヒノキアスナロが育つ。ニホンカモシカ・ニホンザル・キジ・ヤマドリのほか多くの小鳥類が生息する。自然研究路・野営場・ビジターセンターなどが設置され,県民の自然観察やレクリエーションの場となっている。山頂には展望台が設けられ,陸奥湾・青森平野・八甲田山・岩木山・津軽平野・青森市街が一望できる。登山口は国道7号の大釈迦口と101号から入る前田野目口がある。前田野目口からの途中には,岩上に建てられた松倉神社がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600602