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松館川
【まつだてがわ】


三戸郡階上(はしかみ)町から八戸市を流れる川。新井田川の支川。2級河川。流路延長17.3km・流域面積67km(^2)。階上町南西部,階上岳西斜面に源を発し,北流して八戸市十日市北方で新井田(にいだ)川に合流する。上流から中流は先第三系の古期岩類を削って流れるため峡谷をなす部分が多いが,八戸市松館から新井田川合流点までの約3kmは幅200~300mの沖積地となり,水田耕作が行われている。かつて,新井田川沿いから当川沿いに階上岳山麓まで,磐城セメント(のちの八戸セメント)の石灰石運搬専用トロッコ軌道が敷かれ,沿線各所の採石場から八戸市新井田の新井田川河口に近いセメント工場まで石灰石を運んでいた。現在はすべて撤去され,松館~階上町金山沢間3kmで住金鉱業が石灰石を採掘し,延長約10kmのベルトコンベアーでセメント工場および鮫(さめ)港の積出場まで運んでいる。流域の主な産業は,石灰石採掘のほか,最上流の階上町田代での砕石採掘,支谷の同町平内(ひらない)での工業用の大理石採掘,畑作農業・林業・酪農業などである。新井田川との合流点のやや上流で東側からこの川に注ぐ馬渡(まわたり)川の伏流水(湧水)は八戸市上水道水源の1つで,蟹沢ポンプ場で揚水し,八戸市民に給水している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600605