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七時雨山
【ななしぐれやま】


岩手郡西根町と二戸郡安代(あしろ)町の境に位置する山。標高1,060m。山名は天候が変わり易く,1日に数回も変化することに由来(日本山名辞典)。火山活動によりコニーデ型をなす。古い火山で,中央部にはかなり大きいカルデラがあり,田代平と呼ばれている。「新岩手風土記」によれば,地形はかなり変形し,外輪山に相当する部分の西側と南東側が欠け,カルデラ形成当時,相当量の泥流があったらしいという。火山礫交じりの泥流が広く分布している。八幡平から前森山―七時雨山―西岳は一連の火山列で,数次の火山活動により形成されたものと思われる。火山活動記録は文政6年・昭和8年・同10年にそれぞれ鳴動の記録がある。古代には山麓に陸奥北部と出羽北部を結んだ主道,流霰路があった。江戸期には,秋田県鹿角郡尾去沢銅山の輸送路として御銅山道と呼ばれ,南麓の寺田は宿場集落として栄えた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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