小阿仁川
【こあにがわ】

北秋田郡上小阿仁(かみこあに)村と合川(あいかわ)町を貫流する川。太平山（1,171m）の北麓に源を発する旭又沢が多くの沢を集めて小阿仁川となり，萩形(はぎなり)沢を合わせて流下する。餌刺岱(えさしたい)付近から谷底平野が広がり，出羽(でわ)山地を東西方向に流れる沢を集め，蛇行しながら北流し羽根山(はねやま)付近で阿仁川に合流。流路延長49km，流域面積336.2km(^2)の１級河川。川名は大阿仁の対名（地名辞書）。上流の萩形ダムは多目的ダム。段丘面の袂状部に集落が存立。流域には藩政期の林政によって保全されてきた天然の秋田杉が繁茂し，沢奥まで森林軌道が敷設されていたが，近年トラック輸送に変わった。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7600960