100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

太平山
【たいへいざん】


「おいだらやま」ともいい,狼平とも書く。また蛇根(おろちね)・三本岳(さんぼんだけ)ともいい(地名辞書),三本ケ嶽とも書く(大日本地誌)。県中西部にある山。山頂は秋田市・河辺(かわべ)郡河辺町・北秋田郡上小阿仁(かみこあに)村の境界となる。標高1,171m。太平山塊の主峰。基盤岩体は太平山プルトン(深成岩体)と呼ばれ,緑色凝灰岩の基盤岩が広く露出。山体は壮年期に達した隆起山地。山麓を刻む各河川の浸食作用が激しく,滝や峡谷の発達が著しい。山名の「たいへい」は「おいだら」に由来。「おいだら」は「地名辞書」に「もとオホタヒラにや,又大江平にや,又夷語に出づるか」とある。山頂に太平山三吉神社がまつられる。祭神は大己貴大神・少彦名大神・三吉大神。白鳳2年役小角の開山と伝えられ,延暦20年坂上田村麻呂が東夷征討の際戦勝を祈願して堂宇を建立再興し,明治6年郷社に,同12年県社に昇格した。大正2年赤沼に里宮を設置し,太平山の本殿は奥宮と称し,両社を総称して,太平山三吉神社と称号する。山体全域が自然の広葉樹林におおわれ仁別(にべつ)の奥山には,自然林の針葉樹林帯が広がっている。特に,務沢(むさわ)に沿った東側の山腹一帯は,「仁別国民の森」として,森林博物館や樹木見本林・湿地植物園などが整った市民の憩いの場。当山は登山の対象となり,一般ルートとしては木曽石(きそいし)・仁別・野田・岩見三内(いわみさんない)・旭又からの登山コースがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600994