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森吉山
【もりよしさん】


見当(けんとう)山ともいう(地名辞書)。北秋田郡森吉町と阿仁(あに)町にまたがる山。奥羽山脈と出羽丘陵の中間にあり,阿仁合(あにあい)線比立内(ひたちない)駅の北東11kmに位置する。標高1,454m。那須(なす)火山帯に属する,第4紀の火山。基盤岩はチャート・砂岩・粘板岩からなる。田沢酸性火山岩と呼ばれる,第3紀末の噴出物が広範囲に分布。本山の面積は東西約12km,南北約10km。ほぼ中央に直経約3kmのカルデラがあり,中央火口丘を形成。外輪山の外側は5~13°の緩傾斜。浸食谷は外輪山の外壁に向かって,放射谷を形成。山麓から山腹に,広大な森林地帯を形成し,1,200m付近から高山植物群落がおおっている。阿仁地区の住民は,霊山として信仰し,旧暦の4月8日と6月15日に,前岳にある森吉神社奥宮に参拝した。参詣人はもろび(アオモリトドマツ)の枝を持ち帰り,「守り」として親族・知己に配布する風習がある(郷土誌)。比立内・打当(うつとう)にはマタギが居住していた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7601047