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亀割山
【かめわりやま】


奥羽山脈の一支峰。新庄市と最上郡最上町との境をなす。標高594m。近年まで新庄盆地と向町(むかいまち)盆地を結ぶ亀割峠があった。「義経記」(古典大系)に「亀割山にて御産の事」として「各々亀割山を越え給ふに,北の方御身を労り給ふ事あり」と見える。源義経の東下りの折,北の方がこの山の中腹で和子を出産したという。出産したと伝えられる場所が現在も残り,ここを拝めば妊婦は安産するとの信仰がある。山麓の谷間にある瀬見(せみ)温泉は,義経主従がしばらく滞在したといわれ,同書にある「その日はせひの内といふ所にて,一両日御身労はり」の「せひの内」は「せみのゆ」の誤りかとする説もある。また別本(阿波国文庫本)には「其日はせひといふ所にて」と見える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7601105