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丹生川
【にうがわ】


最上地方南部,延長2万9,496mの一級河川。最上川の支流の1つ。奥羽山脈の船形山(1,500m)西麓,御所山県立自然公園域内に端を発する。標高300mの屋敷平までは険しい峡谷の連続となって北西に流下する。周辺は船形山登山のルートであり,特に上流部は層雲峡と呼ばれ自然美で知られる。屋敷平には主に治水・灌漑を目的とした鶴子ダムがあり,この付近から河床はひらけ,銀山川流入地点は右岸に比高の大きい段丘がみられる。尾花沢市大字行沢付近から西流に転じ,河谷盆地はいっそうひらけ,両岸には中位段丘が発達している。右岸に赤井川・牛房野(ごぼうの)川を入れる。左岸には北村山郡大石田町・尾花沢(おばなざわ)市の市街地が立地している。国鉄奥羽本線・国道13号と直交し,大石田町大字豊田・海谷地内で最上川に注ぐ。流域面積149km(^2),うち90%を山地が占める。河岸段丘上は江戸期後半から開発され,徳良湖などの溜池が造られ,丹生川からの用水が引かれた。河川名は赤濁する川であることから丹を生む川が転じた(安彦好重:山形県の地名)。二次支川銀山川の名称は,慶長年間に上流部に開発された延沢(野辺沢)銀山にちなむ。尾花沢市内には俳聖松尾芭蕉が元禄2年に逗留した鈴木清風宅跡がある。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7601167