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摩耶山
【まやさん】


朝日山地北西部,大鳥屋岳(989m)から北に延びる支尾根の主峰をなす山。標高1,020mの岩峰で,全山花崗岩からなる地塁山地を形成する。古くは厩山と記し,都岐沙羅(つきさら)柵の守護神として崇敬されていた。金峯修験の奥駈修行の霊地として摩耶山権現とあがめられ,多くの参拝者を迎えていた。台地上の山頂から月山・鳥海山・粟島・佐渡ケ島などの展望ができる。この山地を境にして,東は花崗岩類,西は第三紀層と区分される。江戸期,庄内藩は摩耶山に参詣すると大荒れになるという理由で登山を禁じた。これは山頂からの展望がよくきいたこと,越後から庄内への間道として利用されることをおそれたためというが,地元の信仰は厚く,参詣登山をして叱責されている。結局明治期までは木野俣・関川・越沢などの里宮や遙拝所に参詣するだけであった。登山口は西田川郡温海(あつみ)町の関川・越沢・木野俣と東田川郡朝日村の倉沢などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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