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最上小国川
【もがみおぐにがわ】


最上地方東部,延長38.9kmの一級河川。最上川の支流の1つ。最上郡最上町大字富沢の東端,宮城県境の翁峠東部に端を発する。同県境の奥羽山西麓から西流する明神川との合流地点から向町(むかいまち)盆地となり西流する。向町盆地は最上町の中心をなし,最上小国川は南縁を流れ,右岸には南流する支川絹出川・最上白川・大横川などによる扇状地性沖積原が発達している。盆地西端鵜杉(うすぎ)(大字大堀)付近から峡谷部となり,国鉄陸羽東線・国道47号が河道に並行する。同郡舟形町大字長沢(ながさわ)地内から舟形盆地となる。氾濫原は広く,網状流を呈しながら大字堀内地内で最上川に注ぐ。流域面積125km(^2),うち80%を山地が占める。沿岸には赤倉・瀬見(せみ)などの温泉があり,大字大堀には明治45年開設の瀬見発電所(水路式,最大出力360kw)がある。またアユが多く,松原鮎として知られている。沿岸の高位段丘は楯に利用された。また中位段丘には森林と畑,低位段丘と氾濫原には水田が広がる。向町盆地および周辺部は藩政時代から良馬の産地であった。斎藤茂吉の歌集「白き山」に「最上川の大き支流の一つなる小国川の浪におもてをあらふ」「舟形にくだり来れば小国川ながれの岸にねむりもよほす」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7601197