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浅間高原
【あさまこうげん】


群馬県と長野県との境に広がる高原。浅間山(2,542m)の火山活動により形成された広大な裾野の総称。標高800~1,400m前後。行政的には吾妻(あがつま)郡嬬恋(つまごい)村・長野原町と長野県北佐久郡御代田町・軽井沢町に及ぶ。裾野の発達は南斜面と北斜面で顕著である。年平均気温は8℃前後で,札幌のそれと同程度である。盛夏の平均気温も20℃前後で,東京のそれよりも約6℃低い。夏冷涼な気候は避暑地や夏野菜の栽培にとって好条件になっている。南斜面では別荘地やホテル・民宿・ペンション,レストランや土産店,あるいはスポーツ・リゾート施設が多く立地し,避暑地としての性格を強めている。北斜面は林地や原野として長く取り残され,第2次大戦までは採草などの入会地利用が卓越し,浅間牧場や法政大学村・一匡村などの別荘地が立地するにすぎなかった。第2次大戦後,入植開墾などにより農地開発が進み,夏の冷涼な気候を利用した高原野菜の栽培や酪農が発達している。また,浅間牧場・浅間大滝・鬼押出しなどの名勝を拠点とする観光開発も進み,森林や高山植物・野鳥に恵まれた自然景勝の地になっている。近年では別荘や大学・会社の厚生施設が多く建築され,避暑地としての性格も現れている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7601667