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相馬ケ原
【そうまがはら】


榛名(はるな)山南東麓の火山性扇状地。北群馬郡榛東(しんとう)村と箕郷(みさと)町北東部にかけて広がる原野。標高350~600m。洪積世における榛名山の火山活動により,寄生火山の1つである溶岩円頂丘の相馬山(1,411m)が東麓に成立し,その後の相馬山の火山活動により多量の泥流が南東斜面に流下した。泥流は角閃石安山岩からなり,テーブル状の緩斜面を形成した。近世には高崎周辺の農村の入会秣場として利用され,刈敷や屋根用の茅採り場であった。明治43年から昭和20年までは陸軍演習場として利用された。当初,高崎歩兵第15連隊・東京近衛第1連隊・水戸第14連隊工兵の利用に限られていたが,昭和16年までに総面積800haに拡張し,常時2個連隊が駐屯する砲兵実弾射撃の大演習場になった。昭和21年から同33年まで進駐米軍のキャンプとして利用されるようになり,旧陸軍の演習地と周辺の公民有林1,500haが実弾射撃場となった。山麓農村は林野に農業や生活の基盤を置いていたため,生活補償や治山治水,さらに事故対策と問題が相次いで起こった。昭和30年からは米軍とともに保安隊総隊特別教育隊が演習地として利用するようになり,同34年からは米軍のあとをうけて陸上自衛隊が駐屯するようになった。昭和37年には,全国の陸上自衛隊13個師団の1つである東部方面隊第12師団司令部が置かれるようになった。現在,作戦部隊として戦車大隊・通信大隊・武器部隊・偵察隊などがあり,6部隊が駐屯している。演習場は669haで,米軍時代よりも縮小している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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