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御岳山
【みたけさん】


青梅(おうめ)市西端と奥多摩町との境にある山。標高929m。別称金峯山ともいい,御嶽山とも書く。秩父多摩(ちちぶたま)国立公園のうち。御岳山は北方の大塚山,山頂の御嶽神社,奥ノ院(1,077m)を含めた総称。天平年間僧行基が大和吉野の金峰山(きんぶせん)蔵王権現を勧請したと伝えられ,中世では勝沼城主三田弾正忠氏宗父子などの豪族の信仰を集め,天正19年に社領30石を幕府より寄進され(武蔵名勝),江戸城鎮護祈願所となり,社殿を江戸城に向けて,改築したという。神社には入母屋造りの御師の宿坊,天然記念物神代ケヤキがある。古くから檜原(ひのはら)村境の大岳(おおたけ)山とともに,山岳信仰の地でもあり,火災盗難の守護神,農耕の神でもある。太占(ふとまに)などの吉兆を占う古式行事を今に伝える。関東に信者が多く,御嶽講による参詣は,江戸から青梅街道,秩父からは鎌倉古道の小沢(こさわ)峠を経て集まった。現在は国鉄青梅線御岳駅よりバス・ケーブルを乗り継ぎ,御岳平まで登れるので,高尾山とともに都民の行楽地になっている。日本七大野鳥の棲息地で,特にコノハズクは有名。秋にはカンタンの声も聞かれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602280