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石老山
【せきろうさん】


津久井郡相模湖町寸沢嵐と藤野町牧野の境にある山。標高694.3m。丹沢山地の北に位置する道志山地に属し,全山,新第三紀後期の愛川層群の礫岩からなり,頂上近くには岩山がそびえ立つ。頂上からは,道志川・丹沢山地・秩父連山・南アルプスなどが展望でき,脚下には相模湖が横たわり,ハイキングの好適地となっている。山腹には鬱蒼とした樹林と屏風岩・仁王岩・駒立岩などの奇岩が多く,道を曲げ階段を刻む。東面中腹にある顕鏡寺は,本堂上手の虚空蔵と名づけられた岩窟が寺の由緒。仁寿年間頃,駆け落ちした大宮人の男女がこの地に来て虚空蔵で世をしのび,再会のあかしとして所持していた銀の鏡を2つに割り,一子岩若丸に授け諸国行脚に出たという。岩若丸は後年僧となってこの岩洞に帰り,古い石の山から寺の号を石老山といい,鏡にちなんで顕鏡寺と名づけて,貞観18年1寺を建立した。以来寺号をとってこの山を石老山と呼ぶようになった。「新編相模」によれば,寺の2月13日の例祭には,武蔵・相模・甲斐をはじめとして周辺諸国からの参拝者でにぎわったという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602418