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白山
【はくさん】


厚木市と愛甲(あいこう)郡清川村の境にある山。丹沢山地の東部に位置し,大山山地の前山,中津山地南部の丘陵の最高部である。標高283.9m。地質は新第三紀後期の愛川層群礫質砂岩層が分布する。古くは印山(いやま)・井山とも呼ばれ,その名残が現在でも東側の山麓に厚木市飯山(いいやま)という地名で残る。当山の中腹には真言宗飯上山如意輪院長谷寺があり,坂東三十三か所の札所めぐりの第6番札所で,飯山観音として知られる。山名は白山妙理大権現を祀るところから起こった名称で,白山信仰が修験道の山岳信仰と結びついたものであろう。山頂の展望台から北へ下った所に白山池があり,日照りが続いた時にこの池の水を干すと必ず雨が降るという役行者にまつわる伝説がある。池のそばには白山神社が建てられている。白山には日照りの時に雨をもたらしたという白竜の伝説もあり,この伝説に基づいて白竜太鼓という郷土芸能が創作され伝えられている。長谷寺は俗に飯山観音ともいわれ,縁結びの神として信仰を集め,本尊十一面観音は行基の作と伝えられ,本堂は県重文に指定されている。北東麓には飯山温泉がある。山頂へは飯山観音を経るものと,南の七沢(厚木市)から順礼峠・貉坂(むじなざか)峠を経るものとがある。順礼峠は坂東札所めぐりの5番飯泉観音・7番金目観音と飯山観音を結ぶ順礼道上の峠であった。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602460