100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

檜岳
【ひのきだけ】


足柄上郡松田町と山北(やまきた)町の境にある山。標高1,166.8m。鍋割(なべわり)山から南西に延びる山稜上にある。地質は新第三紀中新世の丹沢層群下部の地層を源岩とする変成岩からなる。山頂は細長く草原に覆われ,まばらに灌木が生えている。山頂の東側はスズタケが密生し,北西には灌木の点在した草地がある。東側の寄(やどりき)沢からは滝郷沢や水棚ノ沢が食い込んでおり,これらは距離は短いが滝が多く,沢を登るのはむずかしい。当山への登路としては,寄沢または玄倉(くろくら)川上流のユーシンから雨山峠を経るルートと,南にある秦野峠からとがある。秦野峠(840m)は正平の昔,現在の山北町にあった河村城のからめ手とされたもので,峠の歴史は古いが,今は訪れる人もまれである。同峠は山北町玄倉と松田町寄を結ぶが,かつては玄倉側から寄地区を前秦野と呼んでいたことより名づけられた。松田町寄りではこの山を「ひのきだっか」(だっかとは,たかみ・高所のこと)と呼ぶ。だっかに対して岳の字を当てたのであろう。当山にはヒノキの原生林はない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602476