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仏果山
【ぶっかさん】


愛甲(あいこう)郡愛川町半原と清川村の境にある山。丹沢山地の前山である中津山地に属す。標高747.1m。2本の断層に挟まれた中津山地の主峰。山体の浸食が比較的進んでおり,丸味を帯びた穏やかな山容である。北側には渓谷美で知られる中津渓谷が,山すそを巻くようにほぼ東西に走る。山名は,室町初期に仏果上人によって現在の清川村煤ケ谷(すすがや)に正住寺が開かれ,上人がこの山に登り座禅修行を行ったことに由来するという(新編相模)。また,弘法大師が経文を納めたことに由来するとの説もある。山の西麓を流れる中津川は水量が豊富であることからダム建設が計画されており,昭和60年に総貯水量1億9,300万tの宮ケ瀬ダムが完成する予定である。これにより面積が芦ノ湖の約3分の2の人造湖ができ,清川村宮ケ瀬の約300戸は水没することになる。南麓の七曲りでは採石が行われている。周辺には新第三紀後期の愛川層群が分布し,泥岩や凝灰角礫岩からなる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602484