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榎峠
【えのきとうげ】


長岡市と栃尾市の境にある峠。標高320m。東山丘陵の鞍部の1つで,紬商人や出稼女工が栃尾から長岡へ出る生活道路であった。榎は昔から一里塚とか境界の目印として植えられていたことから地名となったと伝える。峠付近栃尾市比礼は明治期から大正期にかけて繁栄した東山油田の中心の1つで,多くの石油樽が人夫の背で峠道を長岡市浦瀬に運ばれた。大正4年に栃尾鉄道が開通し,並行する道路が整備されると栃尾の物流人送は見附を経由する遠回りの平坦路が主流となり,峠の利用は減少した。昭和33年に峠頂上近くに比礼隧道が開かれ,国道351号として舗装整備されたが,冬季積雪のため利用は増加しなかった。昭和51年栃尾市比礼と長岡市乙吉を結ぶ新榎トンネルが着工。峠の南方で東山丘陵を貫いて長さ2,390m。盆地内の繊維の町栃尾と県下第2の商都,交通の要衝長岡とを結ぶこれまでの見附市経由の道に代わり,新トンネルを通る351号は坂道の少ない最短路となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602555