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蒲萄峠
【ぶどうとうげ】


岩船郡朝日村蒲萄から明神岩を通り,山北(さんぽく)町大毎(おおごと)までの約20kmをいう。古くから村上城下より出羽・庄内地方への要衝であった蒲萄集落には,旅籠が数軒あった。また付近には亜鉛・鉛の蒲萄鉱山があった。天明年間頃の「東遊記」に冬の蒲萄峠が天下の難路として記されている。最高地点でも263mで標高はそれほどないが,起伏や断崖が多かった。明神岩のふもとの矢葺明神は義経が奥州下りの折,弓の矢で葺いたといわれている。元禄2年6月28日,雨にぬれながら芭蕉も越えている。現在国道7号は北方約1.5kmにあるこの峠に続く山稜を朝日トンネルで抜けて通る。旧峠道はほとんど利用されていない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602731