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梶波川
【かじはがわ】


奈良中期に見える川名。天平宝字3年の「東大寺領新川郡大藪開田地図」に「大藪野地壱佰五拾町の四至の東の境界」として梶波川が見える。のち大治5年東大寺が作成した荘園に関する絵図の中にもやはり大藪(おおやぶ)野地の東の境界として見えるが,これ以後梶波川に関する史料はなく,現在も梶波川という河川は流れていない。現在大藪荘は石原与作によって現在の中新川(なかにいかわ)郡立山町寺田から上市(かみいち)町荒又,放土ケ瀬(ほうどがせ)の白岩(しらいわ)川のデルタ地帯にあったと比定されている(東大寺領新川郡大藪庄と丈部庄/越中史壇7号)。古来よりこの地は立山町浦田にある稚児塚(ちごづか)古墳の存在からみても多くの集落が白岩川水系の多くの小河川によって発達していたと思われる。おそらく梶波川も白岩川水系の小河川の1つであり,現在の立山町若宮付近から富山地方鉄道本線の相の木駅付近を流れていたものと思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602818