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鳥越峠
【とりこしとうげ】


「とりごえ」ともいう。西礪波(にしとなみ)郡福光(ふくみつ)町臼中(うすなか)と東礪波郡上平(かみたいら)村小瀬(おぜ)の境にある峠。袴腰(はかまごし)山(1,163m)と三方(さんぼう)山(1,142m)の間にあって,標高およそ1,040m。付近一帯はシャクナゲの群生地で,湧水のある湿地にはミズバショウの小群落もみられる。尾根伝いには登山道があるが,臼中・小瀬に下る道は蔓草に行く手をさえぎられ,歩行は困難を極める。寿永2年,礪波山の戦で敗れた平家の落武者はこの峠道を通って五箇山(ごかやま)へ逃げ込んだという。臼中と五箇山との交流・通婚はかなりひんぱんに行われ,大正年間までは峠を越えてクワの葉を五箇山へ運ぶことも多かった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7602923