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朴峠
【ほおとうげ】


朴の木峠ともいう。東礪波(ひがしとなみ)郡城端(じようはな)町若杉(わかすぎ)と平(たいら)村梨谷(なしたに)の境にある峠。標高約860m。「五ケ山と里方との境,城端より朴峠通,五ケ山阿別当村迄,道程六里半計」とあるように(宝暦十四年調書/越中志徴),五箇山(ごかやま)街道の幹線であった。城端側は谷沿いの緩やかな道であるが,平側は尾根づたいの道で急である。五箇山では米ができなかったので,冬でも雪の峠道を越えて城端から米を運んだというが,人喰(ひとくらい)谷の上方にあたり,冬には通行の難所であった。明治20年に梨谷から細尾(ほそお)峠に出て城端に至る新道が開通,昭和2年には細尾峠越の八幡(はちまん)道路(現在の国道304号)も完成し,朴峠越の道は廃された。加賀騒動の主役大槻伝蔵もこの朴峠を経て五箇山へ送られ,峠には厳重な番所が設けられたという。現在,人喰谷から朴峠の下を通って梨谷に至るトンネルを建設中。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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