山ノ神峠
【やまのかみとうげ】
東礪波(ひがしとなみ)郡平(たいら)村小谷(おだん)と利賀(とが)村阿別当(あべつとう)の境にある峠。標高890m。杉の老樹があって,それに天狗がすみついていたという伝承があり,天狗を山の神として崇めて峠名とした。「高草嶺村・阿別当村山境。但阿別当村にて,井波より飛州道へ出合い申す」(宝暦十四年調書/越中志徴)。しかし,井波(いなみ)・八尾(やつお)両町と利賀村との間の交通路が冬でも確保されるまでは,利賀村からはこの峠を歩いて平村の高草嶺へ出て,庄川(しようがわ)を船で下った。現在は峠の下にトンネルがある。利賀村側の東斜面はブナの原生林でおおわれ,その下に利賀谷がひろがる。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7602981 |