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尾添川
【おぞうがわ】


「おおぞがわ・おうぞがわ」とも呼ぶ。手取川上流にある支川で,尾口(おくち)村の尾添地内の蛇谷(じやだに)・中ノ川・丸石谷の合流点から吉野谷(よしのだに)村木滑新(きなめりしん)の牛首川との合流点までをいう。1級河川。流長16.39km。途中右岸より雄谷,左岸より目附(めつこ)谷・荒谷などを合わせる。両岸は傾斜が大きく谷も深いため交通難所となるが,所々に発達する河岸段丘面に尾添・中宮・瀬戸などの集落が発達する。飛騨変成岩が分布するほか,合流点の近くに中生代手取層群がみられ,淡水産貝類の化石を含む。藩政期には加賀藩と幕府領白山麓十八か村の境界となり,木滑新には関所が置かれた。白山信仰の加賀馬場側の禅定道はここから右岸をさかのぼり,中宮から尾添へ渡って大汝(おおなんじ)峰に通じていた。現在は吉野谷と尾口村の村境。合流点近くに濁澄(にごりずみ)橋が架かるほか,国道158号も新設された。尾添集落の東には縄文晩期の遺跡があり,1.5km上流の左岸には白山一里野スキー場が開設された。岩間からの引湯で一里野温泉も開湯するなど,過疎化防止策の一環としての観光開発が盛ん。蛇谷川流域に開設された白山スーパー林道とともに観光客が増加している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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