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剣丸尾
【けんまるび】


富士吉田市と南都留(みなみつる)郡河口湖町の境界付近に分布する溶岩流。富士山北側の剣丸尾火口(2,800m付近)から噴出し,丸山(1,700m)の西,東剣の東を通って北東に流れ,幅は12~300m,嘯(うそぶき)山下で500m,延長19kmに及び,暮地の坂を末端とする。河口湖から富士吉田市に至る国道137号の両側で当溶岩流を見ることができる。第2次大戦後,御坂層の土を盛り,田畑として開拓したり,近年は工場・住宅・娯楽場に利用されている。丸尾とは「国志」に「河口ノ海ノ南岸は富士山下ヨリ打続キテ磊落タル焼石ナリ,此ヲ丸尾ト称ス,マロビ石ノ略言カ,水中ニ至ルマデ皆焼石ニテ黒色炭ノ如ク石面毛孔ノ如クニシテ脆ク滑ラカナラズシテ軽シ」とある。溶岩流を丸尾と称するは富士北麓の特異な名称である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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