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須玉川
【すだまがわ】


玉川とも称した。北巨摩(きたこま)郡須玉町大豆生田(まみようだ)で塩川に合流する富士川水系の河川。流長18.32km。八ケ岳の赤岳と権現岳を源とする大門川と川俣川は,清里高原の念場原(ねんばはら)では東側を大門川が,西側を川俣川がいずれも南流したのち,北巨摩郡高根町久保長沢の北東にあたる念場原の南端で合流,当河川となる。これより南流し,須玉町上津金・下津金の西部では須玉・高根両町の境界を流れ,斑山(まだらやま)の西麓を過ぎ,須玉町若神子(わかみこ)の東部を流下して,大豆生田の南端,桐木橋下流で塩川に合流する。「国志」によれば,「此ノ川ハ各所其ノ名ヲ異ニス大抵浅川村(高根町)玉ノ権現祠辺リヨリ玉川ト呼ブ」とあり,はじめ深玉川・須玉川・桐樹川と部分名称があったという。当河川を挟み,旧津金・多麻・若神子・穂足の4か村があり,これが昭和30年に合併して須玉町と改称した。若神子・大豆生田・藤田・大蔵などの集落は須玉川流域に形成された低位段丘上にあり,古くから重要な交通路である旧佐久往還は,川に沿って大豆生田から若神子を経て長野県に通じ,現在の国道141号となっている。また当河川の流水は遠照寺堰・東向堰・大蔵堰などに引かれて灌漑用水に利用される。上流左岸の上津金に東京電力津金発電所がある。これは大門川から水を引き,当初峡西電力が大正13年に完成したもの。また川魚の宝庫といわれ,ヤマメやアユなどの釣場として知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7603424