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滝坂
【たきさか】


北巨摩(きたこま)郡双葉町登美台地から中巨摩郡敷島町に下る急坂。坂の下を貢川(くがわ)が流れる。比高約35m。坂沿いに滝坂の集落が立地する。今は県道甲府敷島韮崎線が通る。往古の穂坂路は当坂を上り,竜地から茅ケ岳の裾野を横断して信州峠に出た。また,同路から逸見路が分岐し,さらに穴山(韮崎(にらさき)市)で分かれ,棒道となり大門峠に通じていたので,当坂道は信州への基幹軍道の要所であった。坂の上の竜地は永禄年間武田信玄が新設した宿駅で,棟別銭および諸役免除の竜地文書が残されている。坂の北側に武田信玄の長女で,小田原城主北条氏政に嫁し,氏直・氏房を出産後,北条氏と離別された黄梅院夫人の墓がある。坂の左側には横穴式円墳の往生塚があり,町文化財になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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